補助金の不適切使用、調査直前にデータ消去 京都市議の理事長 / 京都新聞

山本拓史京都市議(42)が理事長を務める伏見区NPO法人「エンゼルネット」が個人情報の入ったUSBメモリーを一時紛失した問題で、山本理事長が市の調査を受ける直前、USBメモリーのデータを故意に消去していたことが25日、分かった。市はNPO法違反(虚偽報告)とみて調べている。

 市によると、法人が運営する小規模保育事業所の職員が5月14日、園児ら33人分の氏名や生年月日などの個人情報が入ったUSBメモリーを持ち出し、帰宅途中に置引に遭った。同21日午前に見つかり、市は同日午後、山本理事長にデータ保全を指示したが、山本理事長はその約2時間半後、市による実地監査の直前に自ら消去した。監査には「21日午前に法人副理事長の指示を受けて職員がデータを消去した」と虚偽の報告を行っていたという。

 市の特別監査に対し、山本理事長は「(USBメモリーが発見される前に)市に33人だと報告した個人情報の内容と実際の保存データが違っていることが分かり、冷静な判断ができなかった」などと説明しているという。

 法人を巡っては、保育士の処遇改善を目的とした国と市の補助金の一部を山本理事長らのボーナスに充てていたとして、24日に市から児童福祉法に基づく改善勧告を受けている。